活字と越冬

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【抱腹絶倒】町田康さんのおすすめの小説

三度のメシより本が好き。どうも、越冬です。

自分の読書人生に圧倒的な影響を与えてくれた町田康さんについて勝手に書いていきます。

いま自分の手元には、町田康さんの書いた『夫婦茶碗』(新潮文庫)があります。

夫婦茶碗 (新潮文庫)

夫婦茶碗 (新潮文庫)

  • 作者:康, 町田
  • 発売日: 2001/04/25
  • メディア: 文庫


新潮文庫っていわゆる「純文学」と呼ばれる作品が多いのですが、なんか「文学」って聞くと小難しい感じとかお堅い感じがしませんか?
でも安心してください。町田さんは全然ちがいます。よんでみたらわかりますが落語や漫談のような文章で読んでいて本当に楽しい。
すごくリズムのある文体なんですよね。村上春樹さんとかと同じで作者を隠した状態で読んでも、「あ、この文は…町田康だ!」ってわかる。それくらい、特徴的な文章なんです。
もともと、町田さんはミュージシャンで、町田町蔵という名義で音楽活動をしていました。
19歳で「INU」という伝説のバンドを結成。『メシ喰うな』というアルバムを出します。


Inu - Meshi Kuuna! (Full Album) 1980

私はこのアルバムの中に入っている「つるつるの壺」という楽曲が非常に好きなのですが、それはひとまず置いておきましょう。

こんなすごいアルバムを19歳で作っちゃうセンス、ふつーにやばいですよね。
正直、才能の塊って感じです。

そしてこんなキテレツな音楽を世に出しておいて、3ヶ月で解散しちゃいます。

そして、作家としてデビューします。

リズムのある文章もミュージシャン出身というところから来ているのかもしれませんね。

町田康さんは34歳で『くっすん大黒』(文春文庫)という小説を書いてデビューし、この作品がbunkamuraドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞を同時受賞しました。

くっすん大黒 (文春文庫)

くっすん大黒 (文春文庫)

  • 作者:町田 康
  • 発売日: 2002/05/10
  • メディア: 文庫

もう三日も飲んでいないのであって、実になんというかやれんよ。ホント。酒を飲ましやがらぬのだもの。ホイスキーやら焼酎やらでいいのだが。あきまへんの?あきまへんの?ほんまに?一杯だけ。あきまへんの?ええわい。飲ましていらんわい。飲ますな。飲ますなよ。そのかわり、ええか、おれは一生、Wヤングのギャグを言い続けてやる。君がとってもウイスキー。ジーンときちゃうわ。スコッチでいいから頂戴よ。どや。滑って転んでオオイタ県。おまえはアホモリ県。そんなことはイワテ県。ええ加減にシガ県。どや。松にツルゲーネフ。あれが金閣寺ドストエフスキー。ほんまやほんまほんマヤコフスキー。どや。そろそろ堪忍して欲しいやろ。堪忍して欲しかったら分かったあるやろな。なに?堪忍していらん?もっとゆうてみいてか?毒性なおなごやで。あほんだら。どないしても飲まさん、ちゅうねんな。ほなしゃあないわ。寝たるさかい、布団敷きさらせ、あんけらそ。

これはデビュー作、『くっすん大黒』冒頭の一節です。
一読して、普通の小説とは語り口や雰囲気が違いますよね(笑)

町田さんの小説における主人公は大体において労働意欲がなかったり、お金が無かったり、酒ばかり飲んでいたりします。
有り体にいえば、「ダメ人間」です。
しかし、その主人公を取り巻く人間たちも皆、揃いも揃って主人公よりもっとダメ人間だったり、変人・奇人だったり、頭のおかしい人だったりするので、読んでいると相対的に主人公がまともな人間のように見えてくるから不思議です。

そんな周りの変な人間たちに巻き込まれ、振り回され、いつの間にか訳の分からない状況に陥ってしまうというのが町田さん小説なのです。

読んでいると先が気になり、ページを繰る手が止まらなくなります。ぐいぐい物語の中に引っ張っていくようなイメージですね。

もし、初めて読むのならデビュー作の「くっすん大黒」か「夫婦茶碗」に収録されている「人間の屑」という中編がおすすめです。

夫婦茶碗 (新潮文庫)

夫婦茶碗 (新潮文庫)

  • 作者:康, 町田
  • 発売日: 2001/04/25
  • メディア: 文庫

そこで、ハマったら「浄土」や「権現の踊り子」のような短編集を読まれるのが良いと思います。

浄土 (講談社文庫)

浄土 (講談社文庫)

  • 作者:町田康
  • 発売日: 2016/05/13
  • メディア: Kindle版

権現の踊り子 (講談社文庫)

権現の踊り子 (講談社文庫)

  • 作者:町田康
  • 発売日: 2016/03/11
  • メディア: Kindle版

よくこんな話を思いつくなあと驚愕します。

ちなみに自分が1番すきな作品は『人間小唄』です。
ただ、初めて読むには少しクセが強すぎるので、町田さんの作品を何冊か読んでみて気に入ったら読んでみるとよろしいかと思います。

人間小唄 (講談社文庫)

人間小唄 (講談社文庫)

  • 作者:町田 康
  • 発売日: 2014/01/15
  • メディア: 文庫

この作品、最初の30pくらいは家に送られてきた20首の短歌を曲解して解釈するくだりがずーっと続きます。

わたしはこの部分もとても好きなのですが、ここの部分真剣に読んでも意味不明なことが書いてあるし、町田さんの文章を初めて読む方だと読んでいて退屈になってしまう部分かもしれないですね。それもあってAmazon等のレビューでの評価はあまり高くないです。

ただ、この短歌独自解釈のくだりを越えると猛烈に面白くなります。
詳しく言ってしまうとネタバレになってしまうのでいいませんが、いいかげんな人間しか出てきませんし、主人公(?)にこれでもかと襲いかかる不条理のオンパレードがすごすぎます。

町田康さんの小説を読んで、作風や世界観が好きだなあと感じる方は、 筒井康隆さんや西村賢太さん、戌井昭人さんなどの作家の小説もおすすめです。
きっと、気にいると思いますよ!

今回も読んでいただきありがとうございました。
ではまた〜( ^_^)/~~~